「救急車を呼んだつもりが、消防車が来た」

近年、よく聞かれるようになった話ですが、これを救急支援活動といいます。
PA連携とも呼ばれます。P=Pumper(消防車)とA=Ambulance(救急車)の頭文字をとった言葉です。

一般的に救急車には3名の救急隊員が乗車しており、救急活動を行います。
しかしながら、救急隊の人員、装備だけでは対処できないような事態の場合に消防車が出動することがあります。

事例としては、
 ・傷病者が多層階に居住している、特殊な現場で危険を伴う等、搬送が困難な場合
 ・交通量の多い幹線道路での交通事故で、安全確保のため
 ・燃料漏れのある事故で火災の可能性がある
 ・現場での高度な救命救急を行うために多くの機器や人員が必要

最近では、以上のような要請を受け、「消救車」と呼ばれる消火、救命の両方の機能を持った車両も製造されるようになりました。

また、報道等でも話題になることが多々ありますが、年々、救急の要請回数は増加傾向にあります。 そのため、救急車がすでに出動中であり、新たな現場への速やかな出動が不可能な場合も起こりえます。
このような場合、救急隊員の資格を持った隊員が消防車にて現場に先行し、救急車が到着するまでの間、救命活動を行う場合もあります。

各自治体では、救急車や救急隊員の質や量を確保するために不断の努力を継続していますが、 残念ながら限りある財源のため、無制限に数量を増やすことは不可能です。
一方で、全ての市民が専門的な医療知識を持っていることはありえない話であり、また、緊急時にはパニックに陥ることもあることから、 救急車が必要な事態なのか、それとも自家用車やタクシー等でも対応できるのかは判断が付かないこともありえます。
しかしながら、「タクシーではお金がかかる」「救急車の方が病院での待ち時間が少なくて済む」 「税金を払っているのだから救急車は自由に呼べるはず」等の理由により、緊急性が低いにも関らず救急要請がなされた事例も多く報告されています。

救急車の搬送能力には限りがあり、救急車を本当に必要としている傷病人がいる、という常識を 改めて認識してもらう時代となっているのかもしれません。