緊急地震速報

2007年より緊急地震速報の運用が開始されました。
緊急地震速報は、ひとことで言えば地震が起こる前に、地震が起きることを知らせるシステムです。

地震により発生する波は、P波とS波に分類されます。
P波とは、Primary=第一の波という意味であり、岩盤内を速い速度で伝わっていきます。これに対しS波は、Secondary=第二の波であり、P波より遅れて到達します。
一方で、S波の方が受けるダメージが大きく、P波は人には感じ取れないぐらいに弱いことが多いとされています。 秒速にすると、P波は5~7km/秒、S波は3~4km/秒になります。
つまり、地震発生後、大きな揺れ=S波が来る前に、より早く到達する弱い揺れ=P波を感知すれば、事前に準備をすることができ、被害を軽減することができるというものが緊急地震速報です。

以上が簡単な仕組みではありますが、現実には様々な問題があります。

第一に、速報が間に合わないケースです。
このシステムは、P波とS波の伝達速度の違いに着目しているため、震源が近い場合にはP波とS波がほぼ同時に到達してしまうため、速報を出すときには大きな揺れが起きてしまっている可能性が高くなります。

そして、速報を出すまでの過程にも課題があります。
P波の大きさや方向を分析してから震源や揺れの大きさを割り出すため、まずその時間がタイムラグとして生じます。そして、分析結果をテレビやラジオ、携帯電話などに発する時間がさらに発生します。結果として数秒の時間差が生じることになり、結果として地震発生に間に合わないこともあり得ます。

また、技術的な問題から誤差、誤報も生じえます。
深刻な速報が来た後の地震が、実際には規模が小さいものであれば大きな被害は生じにくいと言えますが、「オオカミ少年」のごとく、情報の信用性が失われてしまうことが危惧されます。「今回も誤報だろう」、「今回も揺れないだろう」という油断を生んでしまう恐れがあります。

緊急地震速報の技術は現在も進歩を続けているため、現時点では正確とは言えない情報もあるかもしれません。
しかしながら、不正確な情報であったとしても慢心することなく、常に準備を整えて頂ければと思います。