ノロウィルス

昨今、冬になるとノロウィルスによる集団感染のニュースを目にする事があります。ノロウィルスは、いわいる「お腹の風邪」とも呼ばれるもので、激しい嘔吐と下痢が特徴です。

そもそもノロウィルスは、牡蠣や二枚貝の体内で濃縮され、それらを食べて感染することが多いと言われており、特に、日本では寒い季節に生食する習慣があるために発症しやすいとされています。
すなわち、十分に加熱された牡蠣等ではノロウィルスは死滅しており、85℃以上の加熱を1分以上加えることにより感染力を失います。
しかしながら、薬品による消毒には比較的強く、70%程度のアルコールでは完全な消毒は不可能とのデータもあり、塩素系消毒薬による消毒が効果的であるとされています。また、薬用ハンドソープに含まれる成分によってはウィルスに効果が乏しいものもあります。ただし、洗浄によって物理的にウィルスを除去し、減少させることは可能なため、 手洗いや調理器具などの洗浄は重要であると言えます。

ノロウィルスが恐れられる原因として、その感染力が挙げられます。
人間への感染ルートは、上記のとおり食中毒によるもののほか、感染者の嘔吐物や排泄物があります。
また、ノロウィルスは乾燥に強いと言われており、嘔吐物や排泄物を処理した後に有効な消毒を行わなかった場合、その場所にウィルスが残留します。数日後、中には数ヵ月後に感染した事例も報告されています。

ノロウィルスは、数百個程度のウィルスが体内に入っただけでも、腸内で増殖し発症する可能性があります。
発症すると、強烈な吐き気が起こり、短い間隔で何度も水のような下痢に見舞われ、その後、強い寒気とともに発熱に至ります。通常はこれら症状は1~2日程度で収まりますが、ウィルスはその後も引き続き体内に存在しており、その後も数日間から数週間程度は排泄のたびにウィルスを排出していることがあります。
また、感染したものの特に症状が表れないケースもあり、その場合には本人の気づかないままウィルスを排出していることも起こりえます。

もし会社内に感染者がいたとしたら、もしスーパーの客に感染者がいたとしたら、もし電車の乗客に感染者がいたとしたら、ドアノブや手すりなどを通じてその手にノロウィルスが付着したかもしれません。
昼食前、手を洗わずに食事をしたら、体内にウィルスが入り込んでしまうかもしれません。
帰宅後、手を洗わずに食材、食器に触れたら、家族全員の口にウィルスが運ばれてしまうかもしれません。

今日現在、ノロウィルスのワクチンや抗ウィルス剤は開発されていないそうです。そして、一度感染しても免疫力は数ヶ月から1、2年程度で失われると言われています。 また、ウィルスには数多くの型が存在し、治った直後に違う型のウィルスに感染することも起こり得ます。
しかしながら、日頃から当たり前のことを心がけるだけで感染は防ぐことができます。

・帰宅後、食事前、調理前には手洗いをしっかりと行う。
・トイレや洗面台などの水廻りは清潔に保つ。
・タオルは清潔なものを使用する。
・調理は十分加熱する。
・嘔吐物や排泄物の処理にはマスク、手袋を使用し、処理後は手を洗う。感染が疑われる場所には有効な消毒を行う。

冬は風邪を始めとした様々な感染症にかかりやすい季節です。
日頃から体の抵抗力を高めて、健康に過ごせる環境づくりを心がけましょう。